◆アカーシャの扉〜8〜◆ ―短編―
―8―
『リング・リング・リング』
僕はその後、貴方をみつけた。
―黄金の砂漠の街―
―月の名三角塔の血の祭壇―
―深い森の中の湿った教会―
―香水と腐臭の漂う石造りの橋の上の馬車―
―三日月刀を握り締めた古い都―
―霧と雨の時計の街の片隅―
そう…いつでも貴方は僕の前に現れる。
―どの時代でも…
あなた自身に問いただした事はないが
何だか貴方も気付いている風な素振りを時折みせる。
嗚呼、その目だよ、その真剣な眼差しが怖い。
怖いながらも惹かれてる。
今でも触れ合えそうで触れ合わないまま
僕等の関係は過去も現在も未来も
微妙なまま続いている様だ。
きっと
着かず離れず
どこかでお互いの存在を認識しながら…
知らんぷりきめこむフリをしながら…
ずっと貴方との巡り逢いが続いていくんだろう。
輪(リング)のように。
ずぅっと
ずぅっと…
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