◆アカーシャの扉〜1〜◆ ―短編―

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 ―1―  

僕のとっておきの

ヒミツの物語を

君に聞かせてアゲヨウ。

ただし

ナニがあっても

責任取れないよ。


フィクションか

ノンフィクションか

それは

読んだアナタが判断して。

サァ現実と夢の交差する世界へ。

僕と一緒に出かけようじゃないか。


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愛する作家がこんなコトを作品の中で言っていた。


『胎児は母の胎内にいる十ヶ月の中で
数億年に渡るであろう恐るべき先祖が受け継いできた時間を
成長する過程の中で、短縮し夢としてみる。
その細胞の変化は生物の進化の過程を
たった十ヶ月の間で母胎の中でやってのける。
なんの記憶もない赤ん坊が時折、
眠っているにも関わらず怯えて泣き出すのは
胎児に頃の悪夢を思いだして その恐怖に怯えているからだ…』


…的を得ていると
感じたのは

アノ夢を見た
数年後のこと。


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『境目のない夢と現実が
    物語る僕自身の中味。』



僕は良く夢をみる。

子供の頃から現実との区別が付かないほど
日々の生活じみた夢をみるのはしょっちゅうだった。

だから眠った気がしない。

朝起きて、スグには境目が解らず混乱することがままあった。


時折おかしな時もある。


全く知らない人が親友だったとか
家の中味や家族の顔が違ったとか
知らない人が家族に混じってるなんてのは
序の口で

行ったことのない森の中や、見たことのない草原や
湖、海、空…
兎に角至る所全てにおいて 知らない場所なんてのも
序の口で

僕自身が

全く違う人間と言うのとも マタ少し違うのだけれども

そこから僕自身の
記憶の邂逅が始まるのだと言うことを

ぼんやりと
徒然に

おかしな夢も有るモノだとそう思いながら
何度も何度も夢を思い返すウチに鮮明に見えてくる
あの時のヴィジョンを調べずにはいられない衝動に狩られた、
15歳の梅雨の時期。

今にも泣き出しそうな曇り空が
夢のなかの街とシンクロしていく…。
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