金の吐息/キンノトイキ

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  兄者へ  

誰にだって色々あるんです。
そんなコトは解っています。
昨日は確かに幸せだなって思いました。
実際幸せなんです。
でもそれとは別に 今でも僕の胸の一角を
確実にあなたが支配しているんです。
多分、余計な負担を増やしたくないと
悩みを全部抱え込んでいるんでしょう。
僕がこんな時期だから
患わせないようにと考えてるんだと
勝手に都合良く思ってしまっています。

そして多分・僕の考えは間違ってイナイとも。

けれど僕は逆に
貴方の痛みを受け止めてあげられないことが
切なくて堪らないのです。
無力に感じられて仕方ないのです。
貴方はいつでも
僕の痛みを受け止めてくれたというのに
僕は貴方に対して何もしてあげられない。
傍観しているしか無いのが酷く悲しいのです。
もし、そういう心配が邪魔だと言うなら
大人しくしていましょう。
貴方が自ら顔をあげてくれるその日まで。

所詮この気持ちもエゴなのかもしれません。
でも、ただ今はひたすら
貴方の心の傷が癒えて
貴方が笑顔で戻ってくるのを
僕はひたすら
祈り続けたいのです。
待ち続けたいのです。

貴方の迷惑でさえなければ。
どんなに時がたとうともアナタとの間にかわされた
兄弟の約束は、僕の体が滅びても
きっと続くと信じているのですから。


◆200212.23◆
−そうして今でも貴方を想わない日はナイ。−
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