PoP EyEd！！
むせび泣く様な花の香りは雨に濡れ穏やかな筈の我が胸中を ただ掻き乱す
“私を呼ぶのは誰だ？”
“お前の欲しいモノはナンだ？”
狂ったように香る
花にアナタの幻想を視た
“花は朽ちても香りは朽ちなし”
“我が身朽ちても命朽ちなし”
“口は成さずともその実は熟しておるのだ”
“その期を逃さねば良いのだ。今がその来たるべき時”
時は過ぎても我等が存在した事実は変えられぬと
微笑むアナタの泣き声を殺した笑顔が
ただただ幾時代を超えた今も私を苛む。
アナタを抱きしめたい。
ただきつく。強く。痛いほど。
離したくない。
世界が壊れても私はアナタを探し続ける。
アナタの香りだけを頼りに。
時は今熟した。誰にも口を開かれずとも
朽ちることナイ アナタの香りだけを頼りに。
アナタを必ず みつけだすだろう。
◆1995◆
─梔子─